生かされている喜び
生かされている喜び
著者:千 玄室(せん げんしつ)
出版社:淡交社
【著者プロフィール】
1923年、茶道裏千家14代家元淡々斎宗室の長男として京都に生まれる。
同志社大学法学部経済科卒業後、ハワイ大学にて修学。哲学博士。
49年、大徳寺管長後藤瑞巖老大師について得度、鵬雲斎玄秀宗興居士の斎号ならびに安名道号を受ける。
64年、千利休居士15代家元を継承。
2003年、裏千家家元を16代に譲り、鵬雲斎千玄室前家元となる。
現在、(社)茶道裏千家淡交会理事長、(財)国際茶道文化協会名誉顧問、(財)京都市国際交流協会理事長、(財)日本国際連合協会会長、京都市生涯学習総合センター所長、正眼短期大学理事長、中国天津商科大学裏千家茶道短期大学学長、ハワイ大学歴史学部教授、モスクワ大学名誉教授等100以上の公職、役職を持つ。
05年9月、日本・国連親善大使に就任。文化功労者国家顕彰、勲二等旭日重光章、文化勲章、レジオン・ドヌール勲章オフィシェ、他多数受章。
これまで一貫して茶道の普及に努めてきた、茶道裏千家十五代家元が、平成14年いっぱいで身を引き長男に家元を襲名。次に目指すものは家元の立場を離れてこそできる日本文化の復興。茶道の中に現れる「お先へどうぞ」と譲り合う精神、「浄める」という美意識は日本人本来のうるわしい心であり、それらを忘れた現代の私たちに思い起こさせてくれる。世界に通じる茶道の魅力、茶の心を語った濃厚な一冊。自然の環境、季節の移り変わり、朝夕の光に感謝し、自然の微妙な変化に対する感覚を感じる大切さを教えてくれる。
まえがきにかえて―裏千家家元を譲るにあたって―
【Ⅰ 日日の茶】
寒梅の茶意
会に入る
寂びの心の覚え
尚武
夏への想い
豊かな心
謝茶
我即碗
時の流れ
茶の湯の妙
茶心と日常
悲しむべきは
自戒
寒熱を超えて
「働き」ということ
無限斎居士をしのんで
茶道海外弘布
歳末所感
平成とよろこびに満ちて
百尺竿頭
賓と主
千手千眼
まさに住するところなく
一盌の茶にこめる祈り
清風満地
風炉の名残り
道ニ於テ只深切ナリケレバ
釜の音
【Ⅱ 茶のこころ】
茶を愛する心
仕え合う心
今日庵の由来
お茶事について
利休居士の七則
茶を修道する心
【Ⅲ 茶と人生】
三人の師匠のこと
あとがき