ソーシャル消費の時代
2015年のビジネスパラダイム
『ソーシャル消費の時代』
2015年のビジネスパラダイム
著者:上條典夫
出版社:講談社
【著者プロフィール】
電通ソーシャル・プラニング局長。早稲田大学卒業後電通入社、新聞局、ラジオテレビ局などを経て、87年電通総研の設立と同時に参画、2001年、消費者研究センター局長、08年から現職。北海道大学非常勤講師も務める。著書に「EC統合とニューヨーロッパ」(共著、岩波書店)、「スポーツ経済効果で元気になった街と国」(講談社)、「現代消費のトレンド」(宣伝会議)、「ビークフリー社会」(丸善)、「買いたい空気のつくり方」(共著 ダイヤモンド社)などがある。
環境問題も人口減少も高齢化も、これからの時代を生きる日本人の誰もが避けて通れない課題である。しかし、それらはただ私たちの未来を制約するだけのものではない。見方を変えれば、新しい価値観、新しい生活、新しい社会へのポジティブなベクトルになりえるものなのだ。残念ながら、私たちの社会はまだ、「未来を継ぐ者を育てにくい市場経済システム」に支配されている。その問題を解決するためにも、個人だけで完結していた消費に対する考え方を社会に広げ、世代を超えて受け継がれる消費哲学を新たに築く必要がある。「質」と「絆」を重視した新たな消費スタイルが、これからの時代に求められる「ソーシャル消費」だ。それは、旧来型の成長を前提とした消費とはまったく異質のものである。
【PART1 若者観測】ココロも人間関係もフラット化していく男女
第1章 コミュニケーションと若者のライフスタイル
「脱・アイデンティティ型の自分」へ動き出す“キャラ型ケータイ・ネイティブ”
第2章 仕事と結婚
トランスジェンダー化の中で、「隠れおひとりさまニーズ」が増えていく
【PART2 シニア観測】細胞の代謝で延びゆく青春時代
第3章 ビューティ
アクティブエイジングと「全方位キレイ」の追求でビューティ複合市場が誕生する
第4章 身体と健康
バーチャルからリアル、ケミカルからナチュラルへ 「細胞の声を聞くシステム」が病気を防ぐ
【PART3 ファミリー観測】拡大する『食の絆』
第5章 食シーン
多用な「共食縁」が人のネットワークを再活性化する
第6章 育児
育児を取る「ポジティブ・ダディ」が生む、消費のアップ・スパイラル
【PART4 情報社会観測】
第7章 クリエイティブ・ライフ
デジタル表現力の力がコンシューマーをクリエイターに変身させる
第8章 ネット起業
「趣味は経営です」マイクロビジネス・ブームが拓く(誰でも社長時代)
第9章 携帯電話
「1人3回線3端末」へ ガラパゴスの眠りから目覚める日本ケータイの底力
第10章 ゲーム
高収入プロゲーマーも出現 ゲームは公告サービスの巨大メディアに
【PART5 コミュニティ観測】新しい信頼関係が人の心と身体を活性化させる
第11章 心と健康
地域の新たな連帯が生む「ソーシャルキャピタル」が健康格差を緩和する
第12章 スポーツ
2016年東京五輪へ スポーツの「みる」「する」「ささえる」が大融合
【PART6 観光力観測】グローバル時代における、新しい日本の魅力
第13章 観光立国
日本人の「ホスピタリティ」と「ダイバーシティ」が世界の人々を引き寄せる
第14章 訪日中国人
大陸からやってくる新しい消費者の巨大なポテンシャル
【PART7 環境社会観測】
第15章 エコロジー
「環境か経済か」から「環境も経済も」へ CO2本位制の徹底で創エネ社会に転換する
第16章 食料
食料の安定確保と地産地消に向けて自給率を5%アップ
第17章 生態系
個人、自治体、企業―さまざまな主体が始める「生物多様性を守る消費」