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「夢洲IR&万博が未来を拓く産学官共創シンポジウム」開催報告

2017年12月22日

「夢洲IR&万博が未来を拓く産学官共創シンポジウム」を10月11日(水)13時15分より、ナレッジキャピタルコングレコンベンションセンター/ルーム1・2において、株式会社健康都市デザイン研究所、学校法人滋慶学園グループ主催で開催させて戴きました。
公益財団法人大阪観光局様、一般社団法人関西経済同友会様、大阪国際フォーラム様、関西公立私立医科大学・医学部連合様、一般社団法人医療国際化推進機構様からのご後援のご支援、株式会社竹中工務店様、ユアサM&B株式会社様、岩井コスモ証券株式会社様、サラヤ株式会社様、凸版印刷株式会社様、富士通株式会社様、株式会社コングレ様、相互タクシー株式会社様からのご協賛のご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。経済界、学界、医学界、経済団体、行政機関、などから230名を超える方々にご参加戴き、盛大に開催出来ましたこと、心よりお礼申し上げます。
夢洲は未来志向のIRと連動し、産学公共創で新たな知恵やモノやサービスを生み出し続ける“ウェルビーイングリゾートシティ”を目指すことにより、世界の人々から憧れられる“夢の島”“幸せの島”になることが期待されています。
本シンポジウムでは、公益財団法人大阪観光局理事長 大阪府・大阪市IR推進会議座長 溝畑宏氏、大阪商業大学 学長 谷岡一郎氏、大阪大学大学院 医学系研究科 臨床遺伝子治療学寄付講座 教授 森下竜一氏、和歌山県立医科大学 理事長・学長 関西公立私立医科大学・医学部連合代表 岡村吉隆氏に、グローバルな視座でのご講演を賜りました。

Ⅰ. シンポジウム
開会の辞:株式会社大阪国際会議場代表取締役社長 一般社団法人関西経済同友会万博&MICE・IR推進委員会委員長
公益財団法人大阪観光局会長 福島 伸一 氏
本日は「夢洲IR&万博が未来を拓く産学官共創シンポジウム」をこのように盛大に開催戴きまして、心よりお慶びを申し上げます。健康都市デザイン研究所様と滋慶学園グループ様の主催で多くの団体、大学、企業の皆様にご支援戴き、このように盛大に開催できますことお祝いとお慶びを申し上げます。また、ご講演・パネルディスカッション・IR事業者様のプレゼンテーションと大変盛り沢山でございますけれども、ご指導戴きながら実りのあるディスカッションを聴かせて戴けると大変期待しております。関西経済同友会において、IRは国際観光のキラーコンテンツであり、大阪・関西が世界で有数の観光拠点へと発展し、関西の成長エンジンの1つとして観光振興・地域経済の活性化、サービス産業の発展に大変有効であると考え、これまで様々な提言活動を行って参りました。9月に大阪府市IR推進会議で発表された「大阪IR基本構想(案)中間骨子」の内容は、我々がこれまで提言してきた内容が数多く盛り込まれており、大変喜ばしく思っています。皆様と一緒に誘致に成功したいと思います。また2025年の大阪万博については、是非オールJAPAN・オール関西で誘致を勝ち取りたいと思いますし、そのためにも地元での機運醸成を皆様と一緒に盛り上げていきたいと思います。このシンポジウムがIR・万博の誘致、関西の新たな経済の起爆剤と活性化に繋がることを祈念致しまして、私のご挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願い致します。

第1部 ご講演
基調講演では、公益財団法人大阪観光局理事長 大阪府・大阪市IR推進会議座長 溝畑宏氏に「観光立国、IRで関西、大阪を元気に!」、ご講演①では、大阪商業大学 学長 谷岡一郎氏に「IR計画であまり論じられていないこと」、ご講演②では、大阪大学大学院 医学系研究科 臨床遺伝子治療学寄付講座 教授 森下竜一氏に「グレーター関西形成に向けて:夢洲における新世代IRと2025大阪万博への期待」、ご講演③では、和歌山県立医科大学 理事長・学長 関西公立私立医科大学・医学部連合代表 岡村吉隆氏に「関西の強みを生かし、世界初の“ウェルビーイングIR”で人々の幸せに貢献」と題し大変貴重なご講演を賜りました。

基調講演:公益財団法人大阪観光局理事長 大阪府・大阪市IR推進会議座長 溝畑 宏 氏
「観光立国、IRで関西、大阪を元気に!」
大阪の経済やアジア経済を踏まえて、世界的な国際イベントを連続で控えている大阪・関西の観光において大事なのは、民間の叡智を結集して、観光による経済効果と雇用の創出、地域活性化に繋げることであります。特に、関西の強みやポテンシャルは健康分野やスポーツであり、これはIRや万博においても重要な点であります。文化、科学技術イノベーション、ものづくり、ライフ・グリーンイノベーションが集中している関西は、何よりも人材力(おもてなしやコミュニケーション能力)が優れていると共に、関西の立地のポテンシャルや関西国際空港も大事なポイントです。また、MICEに関しては一体的な利用かつ長期に滞在する為、大きな経済効果が見込まれますが、日本全体で競争力がなくなってきていることが課題であり、世界に通用する国際会議場、展示場、飲食やモール、エンターテイメントが一体となったホテルの整備の為に、あらゆる叡智を結集することが急務であると考えます。
大阪の目指すべき都市像は、「世界に誇れる自慢の都市」、「安全で安心して楽しめる24時間おもてなし都市」、「多様な人材が集う観光・MICE都市」、「多様な楽しみ方ができる周遊・滞在都市」です。「24時間観光都市(Anytime)」、「関西・西日本観光におけるハブ(Anywhere)」、「多様性あふれる街(Anybody)」これは大阪にしか出来ないコンセプトであり、大阪を世界的な国際観光都市にしたい、ウェルネスを核にしていきたいと思っております。
IRに関してもコンセプトは同じであり競争力のある国際観光地をつくることです。大阪万博のテーマもIRに通じ、大阪の全てのテーマとしても繋がると思います。大阪IR基本構想案中間骨子において、大阪IRの基本コンセプトは大阪・関西の持続的な経済成長のエンジンとなる「世界最高水準の成長型IR」、観光のみならず様々なものを巻き込み、50年100年後を見据え、常に成長していくIRを目指しています。大阪IRの目指す姿として、国際的エンターテイメントの拠点、オールインワンMICE拠点、最先端技術の活用によるスマートリゾートの実現、ウェルネスやIoT等を中心に世界の先進事例を進化させた総合的な懸念事項対策を4つの柱として考え、IRを核とした広域交通ネットワークの形成にと考えております。

ご講演①:大阪商業大学 学長 谷岡 一郎 氏
「IR計画であまり論じられていないこと」
ギャンブル依存に対する対策に関して、海外の事例で有効とされているのが「従業員の教育・訓練」であります。ギャンブル依存症への対応(段階・ステップ)に関して、若い頃の教育、かかり始めた時の予防(相談・カウンセリング)、治療(強制措置)はどうするのか、治った後のアフターケア、家族の協力体制・サポートに関してどういうことをしていくのかまで含めて、ギャンブル依存症対策といいます。
ギャンブル依存対策になぜお金を出すのか、アルコールを飲むのは自分の責任の上でという考え方もありますし、世の中に対して何かしてしまう恐れがあるというのならばケアしていこうという考え方もあると思います。ギャンブル依存対策に誰がお金を出すのかということを考えなければなりません。国が法的なことを講じて規制していくという考え方もございますし、民間が早期発見システム等を用いてお金を出すということもあります。地方自治体はそれを補完する形でお金を出しますという考え方もあります。
展示会場面積の世界ランキングにおいて、日本はどんどん他国に追い抜かれて続けているという状況であります。維持費の影響で展示会場だけではお金が回っていかない状況を考えると、お金と人間を回すカジノが必要であるというわけであります。
シンガポールのマリーナベイ・サンズでありますが、大きな水族館、レストランもございます。このホテルが実施しているインセンシブツアーは今後ますます増えていくと考えられます。
有名なカジノ・ホテルの年間の犯罪件数に関して、年間の犯罪件数をみるとホテル・カジノの安全性が伺えると共に、監視カメラや警備員の配置、警察との協力体制、科学技術を駆使しての管理体制等、様々な防犯・警備体制を敷いています。
また、人材育成という点に関して、大阪商業大学大学院では2015年4月からIRに関するカリキュラムに取り組んでおります。IRは全く新しい生産業を作り出すとお考え戴ければと思います。
日本では、楽しいIR、世界で一番優れたIRを創って下さいというお願いをして私の講演を終わらせて戴きたいと思います。

ご講演②:内閣官房健康医療戦略本部戦略参与、大阪大学大学院 医学系研究科 臨床遺伝子治療学寄付講座 教授 森下 竜一 氏
「グレーター関西形成に向けて:夢洲における新世代IRと2025大阪万博への期待」
日本の100歳以上の方は6万7000人を超えており、今後も増加していくと考えられます。健康寿命というのは、生活の質(QOL)を加味した長寿を意味しており、健康寿命を延ばし、医療費も健康管理の部分をもっと増やしていくことで、国民の健康増進、医療費の削減、新産業創出を可能にすると考えられております。そのポイントの1つとして、セルフメディケーション、自ら守る部分をより進めていこうという考えがございます。
規制改革の1つとして健康食品の分野においては2015年より機能性表示食品として企業の自己責任の上で保健機能を表記出来るようになりました。新たなマーケットが規制改革により生まれ、規制改革がお金の掛からない経済成長戦略の1つだということが分かりました。また、見た目は第4の資産という考えもあり、お台場で行われるアンチエイジングフェアからは健康医療に対する社会的注目が伺えます。現状、会場の規模の関係で大きな医学会をする場合大阪は避けられる傾向がございますが、これからの社会においてMICEは必須であると思います。
関西経済同友会の資料の紹介を説明致しますと、日本型IRのコンセプトの1つは健康医療であります。シンガポールを超える新しいタイプのIRを考えますと日本の特徴を生かしていくことが大切かと思います。ウェルビーイングのイノベーションの実証フィールド、健康長寿都市の創造、人材情報投資を呼び込み関西や日本経済に貢献する、その結果としての世界最高水準のIRに繋がるということであります。夢洲におけるIRは経済的、社会的負担をかけずに構築しているかが非常に重要なポイントだと思います。加えて、夢洲には持続的にエネルギーが賄える可能性があり、最先端をいきながらウェルビーイングの機能というのを持たせ、実証フィールドにしていければ良いのではないかと考えます。また、国が全て先導するより、民間企業がやりたいことが出来る場を提供しその結果で企業の将来を考えて戴ければ良いのではないかと思います。
万博の「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマにおいては、多様で心身共に健康な生き方というのが入っております。もう1つのテーマが持続可能な社会の経済システム、ミニスマートシティをつくるという概念だと認識しております。
2025年~30年のことを先読みして前倒しで行うことによって世界の人を引き付けることが出来ます。規制緩和、スマート治療室、IoT、ロボットの実用化等が未来に向かって進んでおります。万博特区というのがつくられれば、レギュラトリーサンドボックスの実験の場になり、IRも対象にすることで海外事業者も自由に出入りすることが必要だと思います。
人生100年時代の今、アジア圏は健康長寿にシフトしていくだろうと考えられており、如何に健康をもたらすかといったIRが望ましいのではないでしょうか。

ご講演③:和歌山県立医科大学 理事長・学長 関西公立私立医科大学・医学部連合代表 岡村 吉隆 氏
「関西の強みを生かし、世界初の“ウェルビーイングIR”で人々の幸せに貢献」
今日は産学官共創シンポジウムということで、私は学の立場でお話をさせて戴きます。
国内外において、ウェルネスツーリズムは通常の観光と比較して市場が大きく、関西の医科系大学とウェルネス関連企業とどう連携していくかということが大切であると考えます。特にASEANの中でもインドネシアとインドは人口や豊かさも上昇傾向であるため注目すべきです。日本が直面している生活習慣病や認知症等の健康課題は共通のものになってきております。
3つのLIFE(生命・生活・人生)に関して、健康で長生きしたい=ウェルビーイングあるいはウェルネスということは誰もが望んでいることです。65歳以上の人口比率の推移をグラフでみると、他の国と比較して日本だけが急カーブになっており、他の国を参考にできないため、日本は率先して解決しなければならないと思います。
皆さんは健康でありたいと思うと同時に、美味しい食事がしたいという思いもあろうかと思います。健康的とは真逆の例としてラスベガスに有名なハートアタックグリルというハンバーガーショップがございますが、不健康を売りにして客を集めています。日本の伝統的な食事、和食という観点も関西でやっていく上では非常に大事になってくると思います。
公立大学内では地域の活性化というのがいつもテーマになります。私は8大学ある関西公立私立医科大学・医学部連合の代表もしており、高齢社会におけるアシスティブテクノロジーや食育・オーラルケア、高性能住居・健康まちづくり、ビッグデータの活用といったテーマの研究も共同で行っております。医療イノベーション5か年戦略中間報告というものがございますが、日本は安心な高い水準の医療を受けられるという強みがある一方、韓国等と比較して、競争力が弱く、もっと日本式医療を世界へ発信する必要があります。また、医療を産業としてみるという視点もこれまで欠けていた点であります。
ASEAN諸国においても高齢者は急速に増えてきています。これまでは病気に関することだけというあり方でしたが、IRやMICEといった観点から日本、特に関西の強みを生かすということも考えられると思います。
また、和歌山県立医科大学の取組みとして、心の癒しや身体の不自由な方の為のメディカルツーリズムを行なった経緯があると共に、今年、和歌山県で国際観光医療学会(WHOや大阪観光局、和歌山大学観光学部の講演等を予定)を開催する予定です。韓国の高麗大学国際ヘルスケアセンターの事例をみますと祈祷室(pray room)を設ける等、イスラム圏の人々に配慮した設備も整えており、今後こういう点も日本において考えていかなければいけないのではないかと考えております。

第2部 パネルディスカッション

第1部に引き続き、第2部ではパネルディスカッション形式とし、座長に、大阪商業大学 学長 谷岡一郎氏、パネラーは第1部に引き続き、大阪大学大学院 医学系研究科 臨床遺伝子治療学寄付講座 教授 森下竜一氏、和歌山県立医科大学 理事長・学長 関西公立私立医科大学・医学部連合代表 岡村吉隆氏、そして、一般社団法人関西経済同友会 前常任幹事・事務局長 齊藤行巨氏、富士通株式会社 西日本営業本部長代理 兼 関西支社長 竹田錠一氏にご登壇戴きました。

谷岡氏:
「世界最高水準の成長型IR」を目指し、夢洲IRを成功させるためには、今からどのような準備をしたら良いか。大阪府市に望むことは一体何かという点に関して如何でしょうか。
齊藤氏:
私は今年5月まで関西経済同友会の事務局長をしており、IRに取り組んでまいりました。大阪IR基本構想中間骨子を踏まえて、インフラ整備の在り方や万博の成功・不成功を考えた方向性、夢洲の整備、民間のするべきこと、具体的なメニューに関する課題があるかと思います。大阪府市は今ある様々な課題や意見をIR事業者に投げかけていく努力、IR事業者にも汲み取って戴く努力が必要ではないかと感じています。また、IR実施法案の審議が想定したスケジュールよりも遅れており、2024年の開業が不安視されています。大阪府市だけでなく工事関係者は24年開業に間に合うように万全の態勢を整える必要があります。
森下氏:
未来都市戦略をはじめ各省庁と協力し、健康医療戦略も柱としながら、東京オリンピックや次回の参議院選挙等のスケジュール等を踏まえ、これからの5年間は大阪府市にとって継続的な事業を実現できる非常に大切な期間であると考えます。大きなインフラ整備が必要ですが、IR事業者には頑張って戴きたいと思います。
岡村氏:
医師不足・看護師不足は深刻な問題であります。外国人患者の受け入れに関しても、日本人患者の発想はどうしても自分達も待たされているのに外国人を優先するのかというものになってしまいます。医療の点から考えた場合もIRが万博よりも先に話題になっている必要性があると感じます。
竹田氏:
先ほど上映致しました動画の技術(特にAI)は2025年には当たり前のことになっている、なっていなければいけないと考えております。民間として行政に働きかけ、IRを中心に地域が連携する共生型のプラットフォームを通じて新しい産業創出と集客力向上を目指したいと考えています。また、大阪府市に対してはまちとIRを繋ぐご指導を戴きたいと考えております。
谷岡氏:
ウェルビーイングのテーマが含まれる可能性は大変高い一方でIRのテーマはまだ決定していません。万博とIRのテーマの位置付けについてどのようにお考えでしょうか。
森下氏:
大切なのは関西全体で包括的に取り組んでいくことであろうと思います。
谷岡氏:
医療の産業化という点も含めて、万博とIRのテーマに関してもお話戴ければと思います。
齊藤氏:
大阪府市のIR基本構想をみると、万博もIRも同じテーマではないかと考えています。夢洲まちづくり構想検討会においても夢洲をスマートリゾートシティにするとあり、テーマのベクトルは同一方向にあるといえるでしょう。産業化に関しては、新産業創出の為のコンソーシアムが必要ではないか。とりわけ関西全体が健康医療の方向性に向いているのであるから、夢洲に健康医療を核とする、このような産業を創出したい、そのなかでIRのコンセプトはこのようなものですよ、ということをIR事業者に示していくためにもコンソーシアムあるいは夢洲まちづくり推進協議会的な組織が必要です。
谷岡氏:
外国人の医療の受け入れや全体のテーマに関してお話戴きたいと思います。
岡村氏:
外国人の患者に関して、料金未払いや外国人の受け入れの儲けが少ない、語学の壁(コミュニケーション)等の課題があります。大学がホームグラウンドにありながら、夢洲・万博・IRにどのように関わっていくかが大事だと思います。
谷岡氏:
コミュニケーション、文化の話がございましたが、スマートシティは文化の融合した未来都市としてウェルビーイングというテーマに関する考えをお聞きしたいと思います。
竹田氏:
開発一回ものではなく、継続的なものとしていきたいと思います。どのように伝統・文化と融合し共有していくか、イノベーションを生み出す基盤としてのプラットフォームという観点からも検証し、人々の生活にどのように還元されていくか考えてまいりたいと思います。
谷岡氏:
最後に全体を通じて、未来へ向けたメッセージを戴きたいと思います。
齊藤氏:
大阪IR基本構想中間骨子を読んで戴くと、来街者の様々な情報・データをギャンブル依存症対策にも役立たせることが打ち出されています。データを健康医療分野に活用されるとなれば、夢洲のIRは明るいIRに繋がると考えています。一般の方々のギャンブル依存症に対する暗いイメージを払拭するためにも、産官学で連携してこのようなIRを作ってゆく努力が大切であると思います。
第3部 IR事業者プレゼンテーション

第3部では、Caesars Entertainment Corporation/シーザーズエンターテイメント日本開発責任者 渡邉雄介氏、MGM Resorts Japan LLC/合同会社日本MGMリゾーツ代表執行役員兼CEO エド・バワーズ氏、Melco Resorts and Entertainment Japan/メルコリゾート&エンターテインメント株式会社日本支社長 白男川亜子氏にプレゼンテーションを戴きました。

●Caesars Entertainment Corporation/シーザーズエンターテイメント 日本開発責任者 渡邉 雄介 氏 国や地域の歴史、文化を重視したリゾートを大切に、世界一の施設数やエンターテイメントの実績、多様な収益基盤、斬新なコンセプトを強みとし、世界をリードするMICE施設運営の実績と共に、大阪ならではのIRの可能性、大阪・関西らしさを生かしたIRのご提案を戴きました。特に、大阪・関西の健康・医療ライフサイエンス分野を基盤としたウェルネス・健康医療観光の可能性を重視し、ウェルネス観光とIRと親和性が高いことにも触れ、夢洲全体を活用して大阪・関西ならではの健康・ウェルネスに力を入れた IRのご提案を戴きました。

●MGM Resorts Japan LLC/合同会社日本MGMリゾーツ 代表執行役員兼CEO エド・バワーズ 氏 自社事業の事例についてご説明戴きながら、交通アクセスやインフラ整備等においては地方政治・経済界との協力が不可欠とした上で、IRについて国や地域の特色、地域の観光を全体で捉え、IRは地域のビジネスやイノベーションを包括するものであるとお話戴きました。日本の人気観光スポットや世界遺産へのアクセス、優れた観光インフラ等を有する大阪がIRについて前向きであることに触れながら、夢洲においては、万博とMICEの相乗効果、ウェルビーイングや健康にも配慮したIRのプレゼンテーションを戴きました。

●Melco Resorts and Entertainment Japan/メルコリゾート&エンターテインメント株式会社 日本支社長 白男川 亜子 氏 ゲーミングに対する責任ある取り組みや環境への配慮、地域経済への貢献についてご説明戴き、デザイン性溢れるマカオ等の自施設のご紹介を交えながら、革新的な技術と日本からのインスピレーションを生かしたIRを目指すというプレゼンテーションを戴きました。万博は、インバウンドの活性化により、大阪を中心とした経済効果の拡大、日本の魅力を世界に発信する機会であることを踏まえ、2025年日本万国博覧会誘致オフィシャルパートナーにもなったことをご報告戴き、日本、関西、大阪にIRを創る夢を語って戴きました。

閉会の辞:学校法人滋慶学園グループ 総長 浮舟 邦彦 氏

皆様、本日は本当に有難うございました。非常に中身の濃い素晴らしいシンポジウムになりました。お越し戴きました先生方有難うございました。また、パネルディスカッションの先生方のディスカッション、IR事業者様のプレゼンテーション、わくわくとする時間でありました。世界でオンリーワン、まさに日本的なIRということで計画が進んでおりますが、このようなシンポジウムを重ねることによってお越し戴く皆様の合意形成が進み、そしてそれぞれの事業者様、また企業の方々がその企業の中で何が出来るかということに対しても思いが馳せられるのではないでしょうか。このシンポジウムの企画を戴いた井垣様本当に有り難うございました。女性パワーで引っ張ってこられまして、本当に素晴らしいシンポジウムを開催して戴きました。そして事務局の皆様も有難うございました。時間が過ぎておりますので、私の挨拶はこのくらいにさせて戴きまして、この後の懇親会で情報交換また意見交換等宜しくお願い申し上げます。本日は有難うございました。

シンポジウム閉会後には、グランフロント大阪北館6階「旬穀旬菜」にて、講師やIR事業者・関係者も交えて多くの参加者による活発な交流と情報・意見交換が行われました。