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ケア付きシニアレジデンス「コンフォートヒルズ六甲」を見学しました。

2009年12月28日

神戸・六甲に今年6月オープンした、日本初となる病院一体運営型のケア付きシニアレジデンス「コンフォートヒルズ六甲」を見学しました。

事業主体は、セコム株式会社のメディカル事業を担うセコムセコム医療システム株式会社の100%子会社で、今回の開設に伴い設立されたセコムコンフォートウエスト株式会社。計画当初から、24時間救急指定病院である神戸海星病院(180床・セコム提携病院)との一体開発・運営型で計画・設計されたことにより、双方の建物が館内で直結していて、日常の健康管理はもとより急病時の医療対応が整っている安心感があります。安藤忠雄氏の設計になる同施設は、神戸港を一望できる六甲山麓のなだらかな斜面地に位置し、地下2階地上12階建て、延べ床面積19.992.46㎡、利用権方式で、自立者向けの一般居室111室(46~125㎡)と要介護者向けの介護居室58室(20~49㎡)からなります。

訪問した日がクリスマスシーズンということもあって、高級感漂うホテルライクなエントランスホールには、クリスマスの飾り付けが華やかな雰囲気をかもし出し、その日に行われるロビコンーサートに出演する近隣大学の女子学生たちが練習をしているハンドベルの美しい音色が、クリスマスの高揚感を盛り上げていました。居住者は、このようなイベントや、館内に整えられたアクティビティで日々の生活を彩ることができるとのことでした。また、ロビーや廊下壁面など要所要所に、見ごたえのあるミロやムーアの彫刻、麻生順のレリーフや海外アーティストのセンスの良い絵画が多数飾られており、見入っていると、これらの作品の多くはセコムの社長様の美術品との説明を受けました。

居住空間は、全体的にダークブラウン色で統一されたスタイリッシュな空間となっており、神戸の街と海を眺望できる六甲の地形ならではの楽しみがありました。パブリックゾーンにはダイニング、ライブラリーラウンジ、陶芸などのアトリエ、マージャンルーム、ヘアサロンなど、また介護居室エリアには介護を受けながら食事が出来るデイルームも充実し、館内でゆっくり時が過ごせる配慮がなされていました。さらに「カレア」と呼ばれる自立と介護の間の状態を介助する、自立支援ゾーンが設けられていることが同施設の特徴のひとつで、ダイニングとリビングスペース、介護予防・リハビリ用のフィットネススペース、個室浴室などにより、入居者の身体の多様な状態に対応できるように配慮されています。屋上庭園や、地形を生かした遊歩道などは、元気な入居者にとっては、自然を堪能できる気持ちのいい場所なのであろうと思いました。

見学後、天井の高いシックな内装と一流レストランのようなテーブルセッティングのダイニングで、専属シェフが作るランチを頂きました。洋食メニューと和食メニューがあり、どちらともやさしい味で、量も多すぎず少なすぎず、高齢者の健康に配慮されているお料理でした。管理栄養士と専属シェフが、入居者の好みや健康状態に気を配り、治療食や介護食にも対応しているそうです。

高級ホテルのような空間で日々手厚いサービスを受けられることは、安全・安心で、まさに「comfortable」な老後を送れる条件が満たされているわけですが、庶民感覚からすると、もうすこしほっとする家庭的なぬくもりを感じられるほうがリラックスできて、居心地よいと感じる人もいるのではと思いました。いずれにしろライフスタイルは人それぞれ異なりますが、入居時費用が一般居室で4,760万円~1億7170万円、介護居室で2,130万円~4,770万円という、まさしく富裕層を対象にした介護付きシニアレジデンスとして、急性期病院との一体型計画・運営は、今後の高齢者施設のあり方に一石を投じたモデルケースの一つになると思われます。